理想の街並とはどこのこと?

自分が理想とする、自分が好きな街並とは何か。
と、考えたときに気付いたのは、それはどこの街なの?ということです。
街には各国の文化と、様式が蓄積されているのです。
NY
大好きなニューヨークは、基本的に近代建築の集積のようにも見えます。
でも、基本は西欧の様式の延長にあります。
移民の多くは西欧からで、イギリスから独立した経緯があります。
権力の中心は建国以来、白人(西欧人)でした。
パリ
パリも好きな街並ですが、パリはフランス様式の中心です。
いかにもヨーロッパの街並ですが、部分的には高層ビルもあります。
それでも街並の印象は、高さの揃ったアパートメントが中心ですね。
ベネチア
ベネチアの街並は、素晴らしく綺麗です。
歴史的なものですが、個々の建物だけではなく全体として調和がとれている美です。
街全体としての完成度は、個々の主張を超えたものがあります。
空間としての完成度において、日本の歴史風致地区にも同様のことを感じます。
香港
ベネチアとは逆に、香港の雑踏も魅力で色気があります。
しばしばSFアニメなどの、未来的な都市のモチーフになります。
雑多な街並が、必ずしも醜いのではなく魅力を持つこともあります。
大阪の道頓堀や、上野のアメ横や、ラスベガスなどの街並も魅力的です。
祇園
自分の中で出身地である京都は、やはり特別なものです。
日本の街並の原風景は、京都にあると言ってもおかしくないぐらい。
和風の街並は自分にとって、故郷であり原体験である風景です。

選択するのか、作り出すのか

理想の都市といっても、避けては通れない様式の問題があります。
ひとつの建物ならば、どんな様式でも良いのですが街並となると違いますね。
ちなみに国内の主要な建築物は、明治維新後の建物が多いので西欧式ですよね。
 
参考になるのは、おそらくNYかもしれません。
世界中の文化が混ざりあっているにもかかわらず、その美しさは落ちないです。
個人的には東京は、そのレベルになっていないのではないかと思うのです。
東京駅を中心に再開発を進めている東京ですが、現代建築をモチーフにしている内容には物足りなさを感じているのです。どこか、西欧に比べると一段落ちるようなデザインに見えてしまいます。NYの場合は現代建築を内包しながらも、アメリカらしさを失わない街の雰囲気なのです。
 
自分が理想とするというか、好きな風景を作るのにポイントになるの部分ですね。
自分が住んでいる、見慣れているから良いと思ってしまうものです。
しかし、デザインというか美しいものとして世界を見渡したときには違和感があります。
それが、昔から感じていたことで疑問だった部分です。
 
ここから新しいデザインで都市をすべて考えるのおそらく途方もないことになります。
スターウォーズでも、モチーフを組みあせたデザインを再構築しています。
たぶん、スターウォーズなどの映画も参考になると思います。

それでも日本的なものが大事

と言いながら、どこかで日本的な物を模索することになりそうな気がしています。
なぜなら、自分は日本人で京都生まれです。
それで日本的な物を考えないのは不自然ですし、そこを考えるのが心地よいはずなのです。
 
京都は日本的なものの代表ですが、赤煉瓦の洋館や美術館を内包しています。
そういうようなとこを無視して、西欧的なファンタジーにするのは建築デザインをする人間としては疑問が残るのです。
未来的なSFだったとしても、ハリウッド的なものや、ドラえもんの世界みたいなものではないと思います。
そこには懐疑的で、人間が望むものではないのではないかなぁと感じがします。

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