範囲と筋道をイメージさせる

仕事をするときに必要なのは、仕事の範囲と流れのイメージを共有して、選択肢を自由にさせないことだと思う。自由にさせないというと悪く聞こえるかもしれないけど、悪くなる選択肢ならば消したほうがいいとも言える。
これは仮説だけど、けっこう有効な考え方な気がしている。

枠がないと予想出来ない

予算が曖昧な仕事は、絶対に面倒くさい。
とりあえず見積りが出て考えましょうなんて、後から減額するつもりというか、いい加減なだけかも。
そうなると減額分は無駄な仕事だし、削り取ればいびつな構成になりかねない。
しかしこれはお互いに駄目なところがあるかもしれない。
クライアントは

  • 予算を組んでいない、計画が出来ていない
  • 減額作業、その分の時間を軽視してる
  • 減額でいびつになることを知らない
  • 相手の手間に無頓着
  • 無理な減額は品質を悪くする可能性を知らない

という可能性がある。
受注側は

  • 仕事の流れが悪くなることを理解してないか軽視
  • 手間を無駄が増えることが損だと理解してない
  • 減額ありきのリスクと限界を知らない
  • クライアントの言いなりで、説明不足を認識していない

など資質の低さを心配させることになる。
 
そもそもクライアントを、プロのこちらがエスコートしないといけないのだ。
エスコートするには、プロジェクトの全体像と選択肢の枠を提供しないといけない。
曖昧にすれば、何か良いことがあるかと言えば何もない。
クライアントの多くは、都合の良いことしか想像していない。
その要求を無差別に対応するというのは、実はとても不親切なのではないかと思うのです。

世間では融通がきくというのは、良いことだと思われている。
しかし、いくら三ツ星ホテルでもルールを守らない客は出入り禁止になるのではないか?
 
融通が通る=無茶苦茶が許される
 
ということではない、ということを示すべきだ。
本当に責任のある仕事とは何かを、今一度ハッキリすべきである。

範囲

フリーダムは仕事には、最も必要ない。
まずはプロジェクトの枠、仕事の範囲、などと範囲を共有すべきである。
そこをはぐらかすようでは、相手を疑ったほうが良いかもしれない。
相手がいくら優れた人間でも、同じ土俵に入って物事を進めていくのだから、共有の範囲をイメージしないと。
相手はいきなり、想定外のことを言い出すかもしれないのだ。
そのときに既に手遅れの状況ならば、リスクを負うのは決って請け負う側である。
 
範囲を決めることで、ルールができるしオプションの説明もスムーズになる。
また、ルール違反についても指摘しやすいメリットが出てくるではないのでしょうか?

コンシェルジュみたいなことをして、自分の役割をハッキリさせるべきだ。
そうしないと、相手が思うように動いてこちらを無視した行動をとる。
ホテルに入って受付がいなかったら、戸惑うだろう。
従業員を探してバックヤードまで入ってしまうかもしれない。
そこで、客に対して怒るのは変だろう。
ちゃんと部屋までエスコートして、ホテルの概要をお伝えしないといけない。
そうすれば客は安心して、ホテルを利用出来るはずである。
そしてわからないことは、ちゃんとフロントに電話するだろう。
一言だけ「わからないことはフロントにご連絡下さい」と言えば良いのである。

筋道をしっかり教える

クライアントに対して、プロジェクトの筋道はしっかりと説明する機会かツールを持つべきだ。
多くのクライアントは、電話一本、メール一本で話が通ると勘違いしている。
実際にはプロジェクトの進捗で、手遅れな場合もあるのに知らない。
そういうときに請負側は、なんて面倒なことを言うのだと思う。
それは大きな間違いで、ちゃんと筋道を教えず、鍵を閉めないからそういうことになる。
 
では新幹線に乗り遅れて、なお指定席に座れないことを怒る人はいるか。
いたとしてもそれは、お断り出来ることだろうと思うのです。
しかし、デザインの場合は出来上がってからでも平気でやり直しを言われる。
悪質なクライアントなら、追加費用すら拒否するかもしれない。
それぐらいなんとかしてよ、なんて甘えてくるのだ。
 
このような悪い慣習に対して、受け負けしているから、いつまでもなくならないのだ。

筋道をハッキリさせ、共有するというのは面倒なことで、堅苦しい。
だから避けられているのかもしれない。
杓子定規にそんなこと言って、面倒なやつだとか思うのかもしれない。
でも、その後にいろいろ手間を受けるなら説明しないといけない。
というか、説明が下手かもしれないし、聞きにくいだけかも。
良くないのは、やっても意味がないと適当にすること。

具体的にはどうするか

そもそもの間違いは、ほとんどのデザイナーがそういうことで教育を受けていない。
じゃあ営業上がりのデザイナーってどれだけいる?
事前説明にどれだけの拘束力と、評価が与えられる?
そういう部分は、なんとなくで仕事してるんじゃないかぁと思います。
 
家買うときにどれだけ説明される?
一流ホテルの接客を知ってる?
車売るのに、どれだけ神経使ってる?
そういうこと教育された?勉強した?
という話じゃないかと。
だからもっと他のジャンルでは、どう対応しているか勉強すべきなんだよ。
じゃないと、具体的にどうするかっていう話も、小さくなってしまうのでは?
今後そういうことも、勉強して書こうと思いました。

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